認知症になった親の手続き、何から始めればいい? 家族が知っておきたい大切なこと
「最近、親の物忘れが増えてきた」
「銀行の手続きや不動産のことを、親本人に任せるのが難しくなってきた」
「認知症と診断されたけれど、これから何をすればいいのかわからない」
親の認知症が心配になったとき、ご家族からこのようなご相談をいただくことがあります。
認知症になったからといって、すぐに何もできなくなるわけではありません。
しかし、症状が進んで判断することが難しくなると、預貯金の管理や不動産の売却、各種契約などで、これまでとは違った対応が必要になることがあります。
まず確認したいのは「今、親自身で判断できる状態なのか」ということ
認知症と診断された場合でも、判断能力の程度は人によって異なります。
たとえば、
・預貯金の管理はできている
・日常生活の買い物などは問題なくできる
・財産について自分の意思を伝えることができる
という場合もあります。
一方で、
「銀行に行っても手続きの内容が理解できない」
「不動産を売却したいが、本人が契約内容を理解できない」
「財産管理を誰かに任せたいと思っているが、自分で手続きをすることが難しい」
という状態になると、家族だけで対応することが難しくなってきます。
ここが大切なポイントです。
「認知症になったら何をするか」ではなく、「今の親の判断能力で、何ができるのか」から考えることが大切です。
親がまだ判断できるうちなら、できることがあります
親御さんがまだ自分の財産や今後の生活について十分に理解し、意思を伝えることができるのであれば、元気なうちに将来に備えておく方法があります。
たとえば、遺言を作成したり、財産管理について家族と話し合ったり、将来に備えた仕組みを検討したりすることです。
「まだ元気だから、そんなことを考えるのは早い」
そう思われる方も少なくありません。
しかし、実際には「元気なうちだからこそできる準備」があります。
認知症が進んでからでは、本人の意思だけで進めることが難しくなる手続きもあります。
すでに判断することが難しくなっている場合は?
では、すでに親御さんの判断能力が低下していて、預貯金や不動産の管理を家族が行わなければならない場合はどうでしょうか。
このような場合に利用される制度の一つが成年後見制度です。
成年後見制度を利用すると、家庭裁判所の手続を経て、本人の財産を管理したり、必要な契約などを本人に代わって行ったりすることができるようになります。
ただし、成年後見制度は「家族が自由に親の財産を使えるようにする制度」ではありません。
あくまでも、本人の財産や権利を守るための制度です。
そのため、
「親の預金を解約したい」
「親名義の不動産を売却したい」
「施設費用の支払いのために財産を管理したい」
といった事情がある場合には、具体的な状況を確認したうえで、どのような方法が適切なのかを考える必要があります。
「親が認知症になってから」ではなく、早めの相談を
認知症に関するご相談では、
「もっと早く相談しておけばよかった」
というお話を伺うことがあります。
親が元気なうちは、財産のことや将来のことを話し合うのは、どうしても後回しになりがちです。
ところが、いざ判断能力が低下してから、
「親名義の不動産をどうすればいい?」
「預金を動かせないけれど、施設費用はどうする?」
「相続の準備をしておきたいけれど、もう遅い?」
となると、選択できる方法が限られてしまうことがあります。
だからこそ、少しでも「親のことで心配だな」と感じた段階で、一度専門家に相談してみることをおすすめします。
「まだ認知症と決まったわけではない」
「こんなことで相談していいのかわからない」
という段階でも構いません。
親御さんの現在の状況を確認し、今できること、これから考えておいたほうがよいことを整理するだけでも、ご家族の不安は大きく変わります。
認知症の親の手続きで大切なのは、問題が起きてから慌てるのではなく、「今のうちに何ができるか」を考えておくことです。
親御さんの財産管理や成年後見、遺言などについてお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。
「何から始めればいいのかわからない」という段階からでも、一緒に整理していきます。

